あらすじ。初めてロンちゃんを抱いた日、ベンは感動するより先に、赤ちゃんの肌が黄色いことが心配になってしまいました。
どうしよう…。肌が黄色すぎるんじゃないか、だなんて、アジア人のパートナーの前で口が裂けても言えやしない。人種差別主義者だと思われてしまう…それだけは、絶対に避けなくては…
『ベン。黙ってないで、なんとか言えよ』
冬一郎ちゃんにポンと後ろから肩を叩かれて、思わず変な大声で叫んでしまった。
『ん?かっ、可愛い!!パーフェクトだ!こんなに可愛いベビーはいないよ!』
『うん…でもさ』
冬一郎ちゃんがぐっとロンの顔を覗き込んで、心配そうに声を落とした。
『なんかさ…この子、肌、めっちゃ黄色くない?』
あ、なんだ。
やっぱり、君もそう思うんだ。
内心ものすごくほっとしたことは、当分、秘密にしておこうと思う。
後日、新生児黄疸との診断がでたため、ロンは光線治療を受けることになった。新生児黄疸とは、血液中のビリルビンという物質の増加により皮膚が黄色く見える症状で、多かれ少なかれ、全ての赤ちゃんに出るものらしい。知らなかった。親になると、いろいろ勉強することがあるものだ。
以上、ベンの日記の翻訳。以下は僕の感想。
ベンのやつ、普段いつ見ても笑顔だから何考えてるかよく分からないんだけど、実は結構いろんなことに戸惑ってたんだなって思う。初めての育児と日本カルチャーのダブルショック相手だもんな。当然か。