アメリカ人の軽食の定番、グリルドチーズサンドイッチ。日本人の塩握りみたいなもの?ですかね。これ、要は食パンにチーズを挟んでフライパンで焼くだけの簡単ホットサンドなんですが、僕が作ると特においしくはないのに、ベンが作ってくれると、なぜかやったらうまいんです。
秘密は何なのか聞くと、例によってベンのやつは、
「愛だよ♡」
とか言ってまともに答えてくれないから困ります。彼の料理はいつも量とか適当だし、レシピ書いてくれと頼んでもなかなかやってくれないし、意地が悪い。
というわけで以下は大体目分量なのですが。
材料(一人分)
食パン 6枚切 2枚。
厚さは6枚切りが丁度いいようです。これ以上分厚いと中のチーズがなかなか溶けないし、8枚では少し薄すぎて、パンのふんわり感が出ません。
バター 最低20g〜
ベンの言う秘密の材料「愛♡」は大抵の場合、バター(時によってはチーズ)と解釈できます。愛は、嫌というほどたっぷり、がベン流です。
チーズ 最低40g〜
好きなチーズでいいそうです。ベンの定番はシャープチェダーチーズ。シャープチェダーは普通のチェダーより熟成され、風味と塩味が強くなっており、アメリカンサンドイッチにはまさに最適です。彼はブロックの塊を分厚く(最低5mm〜)自分で切って使います。僕が作るチーズサンドが何となくイマイチなのは、ふつーのプロセススライスチーズで楽に済ませようとするからかと思われます。
ちなみにベンの名字(ラストネーム)はシャープスといいます。数学の博士号を持っているので、人からはドクター・シャープスと呼ばれているようです。僕はいつも無礼に「ベンのやつ」などと呼んでいますが、脳みその中身からいったら僕は彼の足元にも及ばないわけです。
作り方です。
グリルドチーズサンドイッチの作り方
1、チーズを食パンの上に並べ、もう一枚のパンで挟みます。
2、フライパンにバターの半量を熱して溶かします。
3、1のサンドイッチを溶けたバターの上に置き、弱~中火で焼きます。
4、一度取り出します。残りのバターをフライパンにいれて溶かし、サンドイッチの焼けていない面を下にして戻し、再び焼きます。
5、両面がキツネ色になればできあがり。対角線でやさしく切って、三角形にしてください。中のチーズが良い感じに溶けています。熱いうちに召し上がれ。
コツ
シンプルなんですが、いくつか注意するポイントがあります。まず、焦がすとおいしくないので、絶対焦がさないこと。しかし、弱気になってると永遠にチーズが溶けないという苦しいジレンマに陥ります。絶妙な火加減で、全神経を集中させて調理しなければなりません
(うそです。めっちゃ簡単ですから気楽にやってください)。
次に、食パンの形状です。シャープス博士によると、食パンの耳(クラスト)の部分というのは曲者で、これがないと満足度が減るので必要なのですが、これがあるせいでバターが食パンにうまく染み込まないという「大問題」が起こるのです。
博士による図を見てください。せっかくのバターの海が食パンの底まで届いていません。クラストの部分はちょっと盛り上がっているので、橋のようになってしまうのですね。
これを解決するには、あらかじめバターを柔らかくして食パンの表面にまんべんなく塗っておくとか、焼きながら食パンを上から押さえつけるとか、いくつかの方法が考えられますが、シャープス博士は単に、
バターの量を多くして海面レベルを上げることで対処します。
ほぼバターで食パンを揚げている状態ですね。おいしいわけです。
「そんなにバターが嫌なら、オリーブオイルで代用しても別にいいよ」とは本人の言葉です。
「冬一郎ちゃんは、いつになったらアメリカ料理の基本を分かってくれるんだろうなあ?」
悪かったな。君とロンの健康を心配しているだけだよ、僕は。
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