さて。めっちゃおまたせしました。ターキーの話をしましょう。
サンクスギビングの話にも書いた通り、ターキーはアメリカのホリデーシーズンに欠かせない食材です。特にサンクスギビングには、絶対、食べないと!という気がアメリカ人にはするようです。正月にお雑煮を食べないとならない、ような感覚でしょうかね。
しかし、ターキー (七面鳥)の丸焼き…というと、僕の当初の頭には、そう。西欧のクリスマスディナーである、というイメージが強くあったのです(というかまあ、ベンに会うまでサンクスギビングなんて知らなかった)。
「あのさ。感謝祭(サンクスギビング)とやらにターキー を食べるのは分かったけれど、11月に七面鳥の丸焼き食べちゃったら、12月のクリスマスには何を食べるんだ?」
ある時、僕が聞くと、ベンはにっこり笑って、
「ん?ターキー だよ♡」と答えました。
「ターキー …、感謝祭にたらふく食べて、またクリスマスにも食べるのか?」
「いいじゃないか。美味しいんだから。なんでだめなの?」
ーーいや、別に、だめじゃないけど、さ。
ベンによれば、サンクスギビングは絶対にターキー、で、多くの人はクリスマスにもターキー を食べる(しかもデザートはパンプキンパイとか、大体、サンクスギビングと同様のメニュー構成)。けれど、もし他のメインの方が良いなら、クリスマスはローストビーフなど豪華で家族が好きなものを自由に食べて良い、のだそうです。ふーん…僕は、なんか、クリスマスの方が七面鳥、絶対!で、日本のローストチキンはその代替品、なのかと思ってたんだけどなあ。
さて、そんな大事なターキーですが、日本ではターキー …なかなか売っていませんよね。
サンクスギビングには絶対ターキーが食べたい、そんなベンのため、僕は僕なりに、これまでかなりの努力を重ねてきました。
僕とベンのターキー遍歴 in Japan
Case1 サブウェイのターキーサンドの段
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牛丼チェーンの並を和牛スキヤキと呼ぶよりさらに無理があるらしい |
ベンと知り合って間もない当初、サンクスギビングのイメージが全く理解できていなかった僕は、サンドイッチチェーンの「サブウェイ」でターキーハムのサンドを見つけ、喜び勇んでベンに届けてあげたことがありました。ベンが思ったほど感謝してくれなかったので僕は不満だったのですが、今思えば、あれをサンクスギビングの食事と呼ぶのは相当、無理があったんだと思います。
Case2 ディズニーランドのターキーレッグの段
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とっても良い思い出です |
Case3 Costcoの冷凍ターキー(7kg)の段
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Costcoでは小さく見えたんだけどなあ |
日本在住の欧米人の救世主と言えば、Costcoです。
アメリカから日本へ進出してきてくれたCostcoは、会員制の店舗で、年会費を払って会員になると、その倉庫みたいな巨大な店で買い物ができます。売っているのは食料品や日用品、家具、電化製品などいろいろ。安いのですが、箱単位で買うのが当たり前のため、特に食料品なんかは、ものすごい量を一度に買わないといけません。でも、日本のスーパーで買うとものすごく割高なブロックチーズや他のアメリカ料理の材料、ミカさんの必需品である冷凍ベリー類をはじめ、ここでしか手に入らないものがたくさんあるので、大量だろうと何だろうと買って冷蔵庫に押しこむほかないのです(Costcoについてはまた今度詳しく書きます)。
そんなCostcoは、欧米人の救世主だけあって、サンクスギビングの時期にターキーを求めて行った際には、ちゃんと現地で売っているのと同じような冷凍のターキーを用意してくれていました(骨付きハムやクランベリーソース缶、パンプキンパイも!)。これならアメリカ同様のサンクスギビングが日本でもできるだろう、と救世主はおっしゃってくれている、わけなのですが――悲しいかな。僕らの日本サイズの台所は、オーブンも冷蔵庫も小さすぎました。ターキーを焼くことはおろか、保管するスペースすら、確保できない(´;ω;`)。。。
Case4 ベビー・ターキーの段
さてそんなわけで、今回のサンクスギビング。僕のコンパクトオーブンでも焼ける、とっても小さい2kgのターキー を手に入れました。
これ↓
ついに、ついに僕んちでターキー を焼くことができる!日本でもロンにアメリカの感謝祭やクリスマスの食卓をちゃんと経験させてあげられるんだ!と、僕は張り切りました。
しかし…
しかし…
☆本来のターキー のあるべきサイズ=6~7キロ以上
ターキーというのは、普通に7kgから14kgはあるのが当たり前の大きな鳥なのです。それなのに、2キロのターキー って、実際手に取ると本当に本当に、小さく見えて…(それでも僕のオーブンにはギリギリのサイズなんだけど)。
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ミカさんに呆れられた |
と、まあ、またもやミカさんに怒られた僕です。
ベビーターキー、せめてとびきり美味しく料理するからね!
そんなわけでレシピ…
と、その前に。
ターキーを初めて料理する方のために、この鳥の調理の基本をおさらいしましょう。
ターキーと言うのは、鶏などと比べると、結構あっさりした味の鳥です。すごくおいしいですが、ただ少しでも焼きすぎると肉がぱさぱさになってしまいます。そこで、いかに肉をしっとりと焼き上げるか、が、ターキーを調理する際の勝負となります。アメリカ人に聞くと、いろいろな人がいろいろな事を言います。塩水に長時間漬けるのがベストだとか、丸ごと油で揚げてしまうに限る、だとか(豪快すぎだろ…)。中に詰めるものひとつとっても、人によって意見が全然違いますので、自分なりに好きな調理法を開拓していくほかありません。僕らはどうするのか、というと、ベンの大好きな秘密兵器、バターの力に頼ることにします。ホイップしたバターソースで表面を徹底的にカバーする事により、中の肉のジューシーさを守ろうというわけです。
どんな調理をするにせよ、大事なのは、きちんと計画を立てる事です。特に大きいターキーの場合は、解凍だけでもめっちゃくっちゃ時間かかります。7キロのターキーだと4日前から取り組まないといけません。
☆冷凍ターキーの解凍法
袋を破らないまま、トレーにのせます(もし袋に小さな穴が空いていたりすると、解凍中にドリップが出て大変なことになるのでトレーは必須です)。冷蔵庫へ入れ、2キロごとに24時間の計算で解凍します(4キロなら2日、6キロなら3日かかるってこと)。
☆ターキーを焼く時間について
ターキーを買うと、ポップアップタイマーというものがついてくることがあります。これは、焼くときに肉に刺しておけば、焼き上がるとポンと浮き上がってくるという便利グッズなのです、がーー!
悪いこと言わないから頼るのはやめてください。
まず間違いなく焼きすぎて肉がパサッパサになります。ポップアップタイマーがもともと刺さっていたとしても、無視する事をお勧めします。
一番良いのは、調理用の温度計を使ってきちんとはかることです。肉の中心温度が75度になればOKです。こういうコード付きタイプだと、オーブンに入れたままはかれるのでめっちゃおすすめ。
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もし温度計がないなら、腿の太い所に竹串をさして、ピンク色の汁でなく透明な汁が出てきた時が焼き上がりです。
目安として、2キロなら1時30分程度、4キロなら2時間40分程度、6キロなら3時間40分~4時間程度かかると考えてください。
そして、ターキーをオーブンで焼いた場合は、実は、焼き立てをすぐに食べるものではありません。オーブンから出した後は、2キロなら30分、4キロなら1時間、6キロなら1時間半程度、寝かすことです。少し時間を置くことで、ターキーのフレーバーが格段に増します。これも計算に入れて料理しましょう。
☆肉汁とガラについて
そしてめっちゃ重要なことは、焼いている間に天板に出た汁は絶対に捨てない、ということです。これを煮詰めて、グレービーソースの材料にするのです。また、ターキーをみんなでガツガツ食べ終わった後の骨。これも捨ててはいけません。水で煮込めば、おいしいターキースープになりますからね。
じゃ、いよいよ作りましょう。
ローストターキー(七面鳥の丸焼き)、バターレモン味のレシピ
■材料:4人分〜
・ターキー(ホール) / 2kg〜
・☆バターソース /
・バター / 200g
・パセリ / 一束
・にんにく(バターソース用) / 二かけ、おろす
・レモン / 半分、汁と皮
・塩 / 少々
・ローズマリー(パウダー) / 小さじ1
・ブラックペッパー / 少々
・☆臭みとり用 /
・玉ねぎ / 半個分
・レモン / 半個分
・にんにく / 1/4個
・にんじん / 一本
・セロリ / 一本
■作り方
1.冷凍ターキーは、袋を破らないままトレーにのせ、冷蔵庫へ入れて、2キロごとに丸一日かけて解凍する。(解凍だけで4キロなら2日、6キロなら3日かかるよ!)
2.天板にアルミホイルを敷き、ターキー をのせる。(臓物類は今回は使いません)
3.バターを柔らかくして、泡立て器でホイップする。みじん切りのパセリ、にんにくのすりおろし、レモンの皮のすりおろし、レモン汁、塩、ローズマリー、ブラックペッパーを混ぜる。
4.ターキーの表面にバターソースをたっぷり塗りたくる。皮の内側にも指を入れて、バターを押し込む。気持ち悪いけど我慢。
5.玉ねぎとにんにく(共に皮付きのままぶつ切り)とレモンを、七面鳥の空洞に押し込む。にんじん、セロリは一口大の乱切りにして、ターキー の周りに並べる。
6.220度に予熱したオーブンで、20分焼く。
7.温度を180度に落として、1時間10分程度焼く。
たいてい、日本の小さなオーブンで焼くと、上が焦げます。アルミホイルでカバーしながら焼く事をお勧めします。
8.竹串をももの一番肉の厚いところに刺して、ピンク色の汁ではなく透明の汁が出てくれば焼き上がりです。
9.オーブンから出して皿に移し、30分適度時間を置いてから食卓に出す。
(4キロなら一時間、6キロなら一時間半くらい置く)。
楽天レシピ内のページ↓
http://recipe.rakuten.co.jp/recipe/1450026371/