真夜中のパスタ、その1

2021/04/25

漫画

※リクエストにつき真夜中のパスタシリーズを再掲載します。

パートナーの時間の感覚が分からない

ある夜、僕がいつものように保育園のお迎えと夕飯の買い物をして帰り、冷蔵庫に食材を詰めようとしていると、普段帰宅の遅いベンが珍しく早く帰ってきて、いきなり「今日は俺がパスタを作ってあげるね!」と宣言しました。

当然、僕は嫌でした。

今日使いたい食材だってあるのに、スーパーで悩んで考えた献立を、ベンの思いつきで急に計画変更されるのは頭にくるからです。しかし、僕が抵抗すると、ベンは大きな青い目を見開いてウルウル攻撃?をしかけてくるので、僕はいつも何も言えなくなります。

「この間、俺、君においしいパスタつくってあげるって約束したのに…」

(こないだというのは先日イタリア人のマリさんがきてくれた時の話です。)

ベンのやつ、あんなデカいくせに、こういう時チワワみたいに見えるのは何故なんだろう。大きさとカールの髪質から言ったらスタンダードサイズプードルが近いんだけどなあ。やれやれ。

で、自分で無理やり夕食作る!宣言したくせに、30分たってもなかなか始めず、1時間後に僕がロンを風呂に入れ終わっても、ご飯のごの字もできてない。こちらはお腹が空いてぺこぺこ。ロンが可哀想だから、作り置きのものやパンなどでとりあえず食べさせてると、ベンはのんびり買いだしに出かけました。その後、僕がロンの歯ブラシをして寝巻きを着せて、寝かしつけに入ろうという前に少し台所をのぞいたら、包丁を丁寧に研いだりオーブンを掃除したりしてるベンがいました。あーもう、勝手にしろ。

で、そのあとはよく覚えてないんですが、ロンを寝かしつけながら僕は寝てしまったみたいで、ふと気づくと、枕元でベンが懐中電灯で覗き込みながら小声で「起きてー、パスタできたよー!」とか言ってるんです。怖いやつだな。しかも時計見たら真夜中。どういう感覚なんだこれ。これも文化の違いなのか?こんな時間にパスタなんか食べないよ!

 (いや、食べたけど。しかもすごく美味しかった…。)

続きます。

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