柏もちを葉っぱごと食べちゃったときの話(シンコ・デ・マヨの話 その2)

2021/05/07

漫画

アメリカ×日本の国際結婚の僕らにとって、五月五日はけっこう悩ましい日です。

アメリカで大人気の楽しいメキシコの祭り「シンコ・デ・マヨ」をとるか、子供に日本の文化を味わわせるべく端午の節句、「子供の日」をとるか。

ちなみに去年は、「子供の日」をとったんですが…。


僕が柏もちやちまきなどの子供の日のご馳走をテーブルに並べると、ベンのやつ、さっそく柏もちに手を伸ばしてパクついたと思ったら、
「べ~~~、なにこれ、すんごいまずい!」と文句を言うのでみれば、葉っぱごと思い切りかじっているじゃあないですか。
「バカ!柏もちの葉っぱ食うなよ!」
と僕が叫ぶと、ベンは非常に不満げに口をとがらせて、
「なんだよー、だってピンクの奴は葉っぱ食べるじゃないか!」と反論してきました。ピンクの奴、というのは、みそあんの柏もちのことではなく、花見の際に食べさせた桜もちのこと、のようです。
あー…、そっか。外国人の目からは、桜もちも柏もちも一緒に見えちゃうのか?と僕が思っているそばから、今度はミカさんが、
「なんだ、こりゃ。くっそまずいぜ」と言うので急いでみれば、彼、ちまきの竹の皮をむぐむぐ噛みくだいてるじゃあないですか!
「わああ、ミカさんも!それ食べちゃダメですよ、ご飯を包んでるだけなんだから!」
「だが黒いやつは食うんだろ」
彼はさらりと言いました。「黒いやつ」というのが何のことなのか、理解するのに僕は数秒かかりました。あ…ご飯包んでる黒いものだから、もしかしておにぎりの海苔のこと?ーー
「パパー、みてー、ロンも♡」
そでを引っ張られて忙しく振り向けば、ロンちゃんがミカさんの真似して竹の皮をはむはむしてるし!わあああ、もう!
慌てる僕を尻目に、ミカさんとベンは「パンダさんだぞ〜」と余裕の対応でした。やれやれ…。


後日、分かった事ですが。
実はミカさん、本気で竹の皮を食べられると思ってやったわけじゃないらしいんです。

「ベンが、お前と、言い争いしそうだったからだぜ」、って…。

僕らの喧嘩を止めるために、あんな固いものを、本当に食べてしまうだなんて。どんだけ優しいんだろう、彼…。

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