真夜中のパスタシリーズに続く話です。
あらすじ:
ベンが夜中に僕に食べさせた超高カロリーパスタのせいで、僕はベンと仲たがいしています。
ベンとつまらないこと(パスタの件)で喧嘩をした翌日の夕方、いつものように先に帰宅した僕がロンに夕飯を食べさせていると、ミカさんから電話がかかってきました。
ミカさんはスウェーデン出身で、ベンの親友です。2人ともアメリカで同じ大学を出て、今は同じ職場で働いています。
「よう、冬一郎か? 」ミカさんの心地よい低い声が言いました。
「今日、ベンが何となく不機嫌だったんでな…お前と喧嘩でもしたのかと思ったんだが」
「そ、そうでしたか。すみません」僕は慌てて謝りました。くそ、ベンのやつ。ミカさんにまで迷惑かけて。
「何があったかおしえてくれよ。ベンはこういう時、聞いてもはぐらかすだけで何も話さないんだ」
ミカさんは優しい人で、僕らのことをいつも気にかけてくれます。僕は何かあるとすぐミカさんに相談したくなるくらいです。今回も、少し迷ったのですが、結局、愚痴ってしまうことにしました。
「実は…最近、ベンが夜中にパスタ作って無理やり食べさせてくるんですよ」
「夜中にか?」
「ええ。いくら時間に鷹揚なアメリカ人とはいっても、ベンの時間の感覚は、僕と違いすぎるんです。僕、寝不足でつい、付き合いきれずに、キツイことを言ってしまって…」
ふっ、と、携帯の向こうでミカさんが笑う感じがしました。
真夜中のパスタシリーズ↓