ブルーベリー・パイのレシピ Blueberry Pie

2022/03/30

アメリカ料理

3月ももうすぐ終わろうとしています。今月はレシピを書き込むどころか、きちんと毎日ご飯を作ることさえままなりませんでしたがーーでも、パートナーのおかげで、1日だけ、素敵なひとときを持つことができました。

3月14日です。一体、何の日だったでしょうか?

答えは…

パイ(π)の日です。えへ。

今年も、ベンは僕のために美味しいパイを作ってくれたのです。

正直、僕は、恐ろしいニュースや他のことで頭がいっぱいで、そんな事さっぱり忘れていたので、彼がオーブンから温かいパイを出してくれた時は、本当に心から驚いて、感動しました。

アップルパイと並ぶパイの王道、クラッシックなブルーベリー・パイでした。


ブルーベリーパイのレシピ

缶詰のブルーベリーでも構わないのに、ベンはわざわざ生のブルーベリーを探して手に入れてくれたようでした。

「でも、ブルーベリーの量が足りなくてさ」と、ベンは悲しそうでした。

「すごく小さいパイになっちゃったんだ(←実は手のひらくらいはある)。ごめんよ。前と比べて愛情が減ったなんて思わないでくれよ、本当は去年のアップルパイみたいに、うんと豪勢に巨大に作ってあげたかったんだから」

ベン自身は、加熱されたフルーツ類はあまり好みません。チェリーパイは好きですが、アップルパイは嫌いだし、ブルーベリーパイも積極的に食べようとはしません。でもパイの日だから、僕のために特別に焼いてくれたのです。もちろん僕は、ベリーが好物のミカさんやロンちゃんにも、切って分けてあげようとしたのですがーー

「ダメ。これは俺から冬一郎ちゃんへの贈り物なんだから、切らないで君が全部食べるんだよ。こんな小さいパイならできるはずさ」

と、ナイフを入れることすらベンに止められてしまいました。確かに彼の料理にしては小ぶりですが、とはいえ僕一人で食べるには十分大きいように思えたので、

「これを切らないで一人で食べるのはキツイな。日本の節分の恵方巻きみたいだな」と僕がつまらないことを言うと、

「節分?ーーああ、2月の、魔除けの儀式だっけ?」

「うん、魔除けというか、恵方巻きは、幸運を呼ぶ食べ物ってとこかな」

「そういう迷信みたいなの、日本人は好きだよな」

若干苛立たしげにそう言った後、しばらくして、ベンは考え直したように、

「まあ、いいか。最近は何もかもが、ツイてないからね。幸運を祈って食べるのは良いかもしれないよ」と、弱々しく笑いました。

なんだか、彼の笑顔を見たのが久しぶりなような気がして、僕は切なかったです。食べ始めると、パイはあたたかくてサクサク、ブルーベリーはふっくらジューシーで、噛むと甘くて熱い汁が飛び出てきます。もう、めちゃくちゃ美味しくて、あっという間に僕一人で平らげました。世界中で僕だけがこの幸せを独り占めしている、と思うと申し訳なくて泣けてしまうくらいでした。

ブルーベリー・パイのレシピ

材料(小一台人分) 

☆フィリング 

ブルーベリー(生) 300g 

レモン汁 小さじ2 

砂糖 60g 

コーンスターチ 20g 

シナモン 小さじ1/4 

バター 15g

☆パイ生地 

薄力粉 150g 

砂糖 大さじ1 

塩 ひとつまみ 

ベーキングパウダー 小さじ1/2 

サラダ油 40g 

ギリシャヨーグルト 60g 


作り方 

1 パイ生地はお好きなもので構いません。ベンのパイ生地はバターたっぷりの折込パイですが、今回は分量が謎なので、僕がよく使うヨーグルトを使った練りパイの生地のレシピを参考に書いておきます。なお直径13.5cm、高さ5cmのガラス製のパイ皿一台分です。小ぶりで深さがありました。

2 大きめのボールに薄力粉と砂糖、塩、ベーキングパウダーを合わせ、泡立て器で混ぜます。サラダ油とヨーグルトを加え、へらにもちかえてざっくり混ぜます。適当にまとめ、2:1に分けます。 

3 パイ生地をのし棒でそれぞれ広げます。バター(分量外)をぬったパイ皿に大きい方をセットします。 

4 別の小さいボールに、フィリングの材料を全て入れて、軽く混ぜたら、パイの中に入れます。バターをちぎって上に散らします。

5もう一枚のパイ生地を細く紐状に切り、パイの上に格子状にのせます。

 6 200度に予熱したオーブンで1時間15分程度焼きます。フィリングがグツグツ煮えてればオッケーです。 




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