アメリカ料理食育日記@日本

国際同性カップルの子育て漫画と、アメリカをはじめとした各国の家庭料理レシピ

ベイクト•ズィティその2。Zitiって何だ?【料理漫画】真夜中のパスタシリーズ

ベイクト・ズィティの話の続きです。前回分から載せます。

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「ベン、ズィティって何だ?」

僕が聞くと、ベンは「ショートパスタの名前さ。ペンネみたいなやつだよ」と教えてくれました。

「ペンネは端が斜めに切れているだろう?ズィティはまっすぐ切れているんだよ」

「それ、マカロニじゃないのか?」

「マカロニはもう少し小さくて、普通、くるっと丸まっている。ちなみに、マリちゃんに同じこと聞かない方がいいよ。延々と細かく説明されるからね。パスタって600種類くらいあるらしいんだ」

へーえ、そんなにあるんだ。僕は感心しました。2人でキッチンの方に移動しながら、僕はさらに質問しました。

「ベイクトってことはオーブンで焼くのかい?

その…やっぱりカロリーは高いのか?」

「そりゃ、アメリカ料理だもの」

基本が分かってないなあ、とベンはため息をつきました。

「ベイクトズィティは、ひき肉たっぷりのミートソースをパスタにからめて、少なくとも3種以上のチーズをミックスして焼く料理だよ。チーズは多いほどおいしい。ミカちゃんは、君と違ってちょっとくらいの脂肪なんか気にしないんだよ。いつもファットって言ってるくらいだしね」

僕は、ベイクトズィティが好物だというミカさんのことを思いました。いつもとても優しいミカさん。でもそういえば、たまに、

「それファットだな!」(素晴らしいな、の意味)とか「すごくソフトだ」(格好いい、の意味)」とか言ってる。ミカさんしか使わない変なスラングみたいな感じです。彼、やっぱりどこかちょっと変わってるんだよな。

「あー?マリちゃん?」

僕がちょっと目を離していたら、ベンはマリさんに電話をかけていました。そうやって余計なことばかり先にするから、料理が出来上がるのが夜中になるんだよ。

「今から来ないか?ミカちゃんがお腹ペコペコだって言うからさ、ベイクトズィティ作るんだ」

おいおい、何を勝手に話作ってるんだ。ミカさんはアメリカの味が食べたいと言っただけだぞ。彼が今、お腹空いてるかどうかなんて全然分からないだろ。というか、先にミカさんに電話しろよ!

「ベイクトズィティだ?!」スマホのスピーカー越しにマリさんが怒鳴る声がしました。「またお前ら、そんなもんを!ラザーニャをつくれ、ラザーニャ!」

何はともあれ、賑やかな夜になりそうな予感がしました。

 

次回はベイクトズィティのレシピをアップします。

 

真夜中のパスタシリーズの第一話↓

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ベイクト•ズィティその1。パートナーと仲直りした話(真夜中のパスタシリーズ)【料理漫画】

これまでのあらすじ。

アメリカ人パートナーのベンとパスタのことで口論になった僕でしたが、友人のミカさんからもらった電話で元気を出し、謝ることにしました。

 

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ミカさんからもらった電話で元気が出た僕は、ベンに謝ることにしました。ベンはあれ以来、別に怒ってはいないものの、ぶっきらぼうな様子です。
「ベン、あのさ…」

ロンが昼寝してくれたタイミングを見計らって、僕はベンに話しかけました。

「こないだは、悪魔とか言って、ごめん。その…また、パスタ、作ってくれるか?」

すると、それまでどこかむすっとしていたベンの顔が、みるみるうちに彼のいつもの、にっこり眩しい笑みにかわりました。

「あははは、そんなの気にしてないよ!でも嬉しいよ、俺のパスタ気に入ったんだね」

喜びついでに、アメリカ人らしくハグやキスまでしかけてきたので、つい僕が、手に持っていた本でブロックしたら、ベンの鼻にあたってしまいました。

「ごめん! そっ、それでさ。ミカさんも食べたいって言ってたから、彼も呼ぼうよ」

「ミカちゃん?」鼻をさすりながらベンが聞き返しました。

「うん。アメリカの味が食べたいって言ってたんだ」

「ふーん。それなら、あれを作ろうかな。ベイクト•ズィティ。ミカちゃん、あれ好きなんだよね」

「ベイクト…ズィ?」

聞き慣れない単語に、僕は聞き返しました。

 

続きます

 

パスタの喧嘩シリーズ

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友人からの電話シリーズ

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友達からの電話3(最終)、+スウェーデンに関する話【漫画】

電話シリーズ三回目(最終)。前回分より掲載。

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おまけ(ストーリーとは全く関係のない話)

スウェーデン大使館は東京タワーの近くにあります。スタイリッシュな赤いモニュメントが入口にあり、それが目印です。時々、スウェーデンに関する興味深いイベントをやっていたりします。

また、大使館から六本木のほうへ歩いて15から20分くらい行ったところに、「リラ・ダーラナ」という北欧料理のレストランがあるのですが、これがとても素敵な所なのです。内装がスウェーデンらしいくつろぎにあふれていて可愛らしく、料理もとても美味しいです。あちこちにダーラナホースという馬の置物が飾られています。おすすめはナスのグラタン。メニュー名のオバジンというのはナスのことです。日本ではあまり知られていませんが、イギリス英語でもナスのことをAubergineと呼びます。アメリカではもっぱらEggplant。こっちの方がおなじみの単語ですね。

レストランのリンクはこちら→http://dalarna.jp/

 

友達からの電話シリーズ1↓

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友達からの電話2、国際結婚と価値観について【育児漫画】

友達からの電話シリーズその2。前回分から載せます。

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「はははは!なんだ、そんなことか!」携帯の向こうでミカさんが大笑いするのが聞こえました。

「まったく、ベンらしいじゃないか。許してやれよ、冬一郎…」

彼の楽しげな声に、僕は、ふと肩の力が抜けて、気持ちが楽になりました。

僕はミカさんが、人としてとても好きなのです。少々風変わりなとこもあるけど、優しくて、頭が良くて、僕みたいなのにも偏見なく接してくれる。料理はうまいし、いつもロンを可愛がってくれる。彼は、慣れない育児に四苦八苦する僕とベンを、あらゆる面で助けてくれるのです。正直、僕はもう、ミカさんなしでロンを育てられる気がしません。ひょっとすると心の中では、パートナーであるベンより、頼りにしているかもしれない。

ベンはロンを溺愛してるし、彼なりに一生懸命、世話をしてもくれます。でも、何せベンはあの、のらりくらりした掴みどころのない性格なので、僕はいまいち頼りきれないのです。何をするにものんびりしてて遅いし、僕とポイントがずれてて、見てて少しイライラする。食事だって、お風呂だって、おむつ替えだって、歯磨きだって、ベンにやらせるより僕がやってしまった方が10倍早いし上手い、そんな風に感じるのです。

ベンが時間に鷹揚なアメリカ人だからなのか。日本人の僕がせっかちすぎるのか。外国人でもミカさんは、僕と時間の感覚が似てて、彼に何かを待たされたことは一度もないけれど。

結婚生活が長続きするには、何より、価値観が一致していることが重要だそうです(僕とベンは法律上は単なる同居人ですが、僕らの認識上は結婚生活なのでそう書きます)。

とくに、時間やお金に関する感覚は生活の根本を左右するので、合っていることが大切なのだそう。

でも、なかなか完全に価値観が一致する相手などいない。だから結婚は難しい。比較的同一の価値観を共有する日本人同士ですらそうなのですから、全くかけ離れた文化のもとで生まれ育った者同士の場合は、なおさら難易度が高い。国際結婚の離婚率が高い理由はそこら辺にあるんでしょう。

ただし、国際結婚にも、価値観がかけ離れているからこそのメリットがあります。それは、そもそも生まれ育った文化が違うんだから、感覚がずれていて当然だ、と思えること。

日本人同士だと、2人の考えは同じで当然、言わなくても分かり合えるはず、といった気持ちが先行して、互いの違いをなかなか認められないことがあると思います。国際結婚の場合は、そもそも異文化の人間同士であるという覚悟があるため、相違を乗り越えてなんとか歩み寄ろうと努力することができます。気持ちに余裕がある時は、その違いをカルチャーショックとして楽しむことだってできるのです。

 

そう、気持ちに余裕がありさえすれば。

 

僕はたぶん最近、寝不足だったり、子育てに仕事に忙しかったりして、余裕がなかったのでしょう。それを、ほかならぬミカさんが優しく笑ってくれたので、僕は素直に反省して、穏やかな気持ちに戻ることができたのでした。

「なあ、冬一郎」ミカさんが言いました。

「今度、ベンが夜中にパスタつくったら、俺も呼んでくれよ」

「え?」

「ベンのパスタ、うまいよな。アメリカの味ってやつだぜ、時々無性に食べたくなる」

僕はちょっとびっくりしました。いくらなんでも、僕らのために夜中にまで来てくれる気なんだろうか。

「たしかに…ものすごく美味しかったですけど…」いいんだろうか、と思いながらも、僕はついまたミカさんに甘えたくなって言いました。

「本当に、呼んじゃいますよ?」

「ああ、必ずだぜ。じゃあな」

そう言って、ミカさんは電話を切りました。

 

続きます

 

僕らの子育ては何かにつけこんな感じ↓

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 喧嘩の直接の発端↓

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 ミカさんのおいしいタコスのレシピ↓

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友達からの電話その1国際結婚と価値観について【育児漫画】

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ベンとつまらないこと(パスタの件)で喧嘩をした翌日の夕方、いつものように先に帰宅した僕がロンに夕飯を食べさせていると、ミカさんから電話がかかってきました。

ミカさんはスウェーデン出身で、ベンの親友です。2人ともアメリカで同じ大学を出て、今は同じ職場で働いています。

「よう、冬一郎か? 」ミカさんの心地よい低い声が言いました。

「今日、ベンが何となく不機嫌だったんでな…お前と喧嘩でもしたのかと思ったんだが」

「そ、そうでしたか。すみません」僕は慌てて謝りました。くそ、ベンのやつ。ミカさんにまで迷惑かけて。

「何があったかおしえてくれよ。ベンはこういう時、聞いてもはぐらかすだけで何も話さないんだ」

ミカさんは優しい人で、僕らのことをいつも気にかけてくれます。僕は何かあるとすぐミカさんに相談したくなるくらいです。今回も、少し迷ったのですが、結局、愚痴ってしまうことにしました。

「実は…最近、ベンが夜中にパスタ作って無理やり食べさせてくるんですよ」

「夜中にか?」

「ええ。いくら時間に鷹揚なアメリカ人とはいっても、ベンの時間の感覚は、僕と違いすぎるんです。僕、寝不足でつい、付き合いきれずに、キツイことを言ってしまって…」

ふっ、と、携帯の向こうでミカさんが笑う感じがしました。

 

続きます。

 

…にしても子供ってスマホが好きですね。

ちなみにロンは自分自身のことを「Baby」または「Wonnie」と呼びます(舌足らずでRの音がWになるんです)。親バカかもだけど、これがめーっちゃくーっちゃ可愛い。ロンが喋るたびにメロメロになれる僕は幸せな人間です。まあ、たまには静かに電話したいと思ったりもしますが。

機会があれば、英語での子育て事情についても話したいと思ってます。

 

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ベンとの喧嘩(パスタの件)↓

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アメリカ料理を食べるときは、カロリーを気にしてはいけない。フェットチーネ•アルフレード3【料理漫画】

フェットチーネ・アルフレードの話の続きです。前回分から載せます。

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「ちっ、ちょっと待ってくれよ!バターに、生クリームに、チーズって、動物性脂肪高カロリー三大選手を、まさかこの量、全部使ってるのか?」

僕が叫ぶと、ベンは不敵な笑みを浮かべて頷きました。

「そうだよ。だからおいしんじゃあないか」

「悪魔か!」

なんてものを食べさせるんだよ!僕は頭にきてベンに突っかかりました。

「僕は運動不足でお腹周りが気になってるんだよ!真夜中にこんなもの食べたら健康に悪いに決まってるだろ!」

「悪魔とはひどいな」ベンが言い返しました。

「さっき言ったろう?アメリカ料理の基本のき、カロリーは気にしない。大丈夫だよ、俺はたとえ君がスモーレスラー(相撲力士)みたいになっても愛してあげるから」

冗談じゃあない。君に付き合ってこんな食生活してたら、ほんとうに相撲取りみたいになる。

しかしながら、フェットチーネのモチモチ感と、アルフレードソースの濃厚なクリーミィさがあまりに美味しかったので、もったいない精神も手伝い、結局僕は見事にパスタを平らげてしまいました。アメリカ料理、恐ろしい!

 

なお、僕に悪魔呼ばわりされたベンは、翌朝もかなり怒っていました。疲れていて言葉がキツかったことは僕も認めます。僕だって昼間なら、こんな馬鹿げた喧嘩なんかしないと思うのですが…。

 

 

アルフレードの話はおしまいですが、真夜中のパスタシリーズは続きます。

 

アメリカ料理の基本三か条。フェットチーネ・アルフレード2【料理漫画】

 真夜中にパスタ、フェットチーネ・アルフレードを食べながらパートナーのベンと繰り広げている喧嘩(後編)です。→レシピ

前編↓

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カロリー気にしない…わけにいかないだろ

「じゃあ、アメリカ料理の基本三か条を教えてあげるよ」ベンが不機嫌そうに言いました。

「うん、いいね。そういうの教えてくれよ」僕は答えました。するとベンは指を三本出し、

「1、バターを使う。2、ベーコンかチーズを使う。3、カロリーは気にしない。以上」

と言いました。

「何だよ、それ?」

再び肩透かしというか、予想外の答えに僕は苛立ちました。ベンはぶっきらぼうに、

「アメリカ料理を美味しく作るコツだよ。今日のパスタの材料知りたいんだろう?その1、バターだいたい1スティック」と言いました。

1スティックというのはアメリカで一般的なバターの単位で、だいたい120gくらいです。これは、バターたっぷりのリッチなパウンドケーキを一台焼くのに十分な量です。僕は驚いて思わずベンを凝視しました。彼は構わず、

「その2、生クリーム。だいたい1カップ使ったかな」と言いました。

彼の1カップはアメリカサイズなので240ccです。日本で一般的な生クリーム1パック(200cc)以上使ったということです。1パックあれば15cmくらいのケーキなら丸々一個塗りたくってデコレーションもできるくらいのクリーム量です。

「その3、チーズ。パルメザンチーズ一本、新しいのあけて全部入れた」

パスタやピザにかける粉チーズ。あれ、僕は一本使い切るのに数ヶ月かかります。それを一気に丸ごと全部入れたというのです。

「ピザを一台埋め尽くしても余る量のチーズだぞ?」

僕は信じられなくて何度も聞き返しました。

「ちょっと待ってくれよ!! バターに生クリームにチーズって、動物性脂肪高カロリー三大選手をその量全部使ってるのか?」

ベンが浮かべた不敵な笑みに僕はぞっとしました。

 

続きます

 

フェットチーネ・アルフレードのレシピ↓

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前回↓ 

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