アメリカ料理食育日記@日本

国際同性カップルの子育て漫画と、アメリカをはじめとした各国の家庭料理レシピ

スウェディッシュエッグコーヒー5(最終回)レシピ付き Swedish egg coffee【国際交流×料理漫画】

スウェディッシュエッグコーヒーシリーズの最終回です。

レシピと解説を漫画の後に記しておきます。→レシピへスキップ

漫画は前回分からのせます。

あらすじ。友人のミカさんが世界一風変りなコーヒーを淹れてくれました。

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分かってるんだ。僕が楽しんでいるのは、このコーヒーの香りよりはかない束の間の幸せだってこと。僕には、こんな素晴らしいものを留めておく力なんかない。ベンも、ロンも、ミカさんも…偶然の積み重ねで、奇跡のように今ここに居てくれるけれど、きっとみんな、そのうち僕の前からいなくなってしまうだろう。ほろ苦い思いを舌先に持て余しながら。

 あとに残るのはきっと、鍋の底に沈むカスみたいな、壊れた僕の殻だけなんだ。

 

「あー、お前ら!」

 

突然の怒鳴り声に、感傷に浸っていた僕は一気に意識を引き戻されました。

マリさんがキッチンに入ってきて、怒りながら「またそんな異端コーヒー飲んでやがるな!」と言いました。

ミカさんは、静かにしろと言わんばかりマリさんをじろっと睨んでから、「お前の分は、ないぜ」と答えました。僕は思わず吹き出して笑ってしまいました。だって本当はまだ3杯分くらいはちゃんと残っていたからです。

「マリさん、よかったら飲みますか」と僕は勧めました。

「冬一郎ちゃんは礼儀正しいよね」とベン。「さすが日本人。優しいなあ」

「全くだぜ」ミカさんはしかめっ面で毒づきつつ、それでもマリさんにコーヒーを注いであげていました。

 この夜が、ずっとずっと続けばいい。僕は心からそう願いました。

 

 

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スウェディッシュエッグコーヒーについての解説とレシピ(約10杯分)

Swedish egg coffeeは、アメリカの北欧系移民が編み出したとされる伝統的な飲み方です。Swedishと名前がついていますが、スウェーデン本国では一般的には知られていません。中西部のルーテル教会(ルター派のプロテスタント。ドイツをはじめ北欧諸国で信じられているキリスト教派)の集会でよく振る舞われたため、Church basement coffeeとの異称もあります。

なお、少ない量でやろうとすると失敗して不味くなります。減らさないでください。

 

卵1個

コーヒー(安いやつ)あらびきの粉にしてだいたい大さじ6~7杯

水2リットルくらい

冷水200mlくらい

 

1、ボールに卵を入れ、スプーンで豪快に叩き割ります。

2、コーヒーを粗挽きにして、1に入れ、スプーンで少し混ぜて、べとべとした感じの気持ち悪いペーストを作ってください。混ぜにくいときは、水(分量外)を大さじ1~2ほど入れてください。

3、鍋に水を入れて沸かします。

4、沸騰したら2を投入します。もこもこ泡立って吹きこぼれそうになるので火加減に気を付けてください。

5、三分くらい弱火で静かに煮たら火を止めます。

6、冷水(かなりキンキンに冷やしておいてください)を投入します。しばらくすると(5~10分)、浮いていた固形物がきれいに底に沈むはずです。

7、上澄みをすくってマグに淹れます。心配であれば、さらにコーヒーフィルターで濾してください。

 

次回はミカさんのおいしい料理レシピをアップしようと思います。

☆ちなみにこの長い夜の話はまだ続きます!

 

エッグコーヒーシリーズの最初の話

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お題「コーヒー」

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スウェディッシュエッグコーヒーの淹れ方4【国際交流×料理漫画】

スウェディッシュエッグコーヒーシリーズ4話目。僕なりの味レポ回です。

最初の話 

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これまでのあらすじ。アメリカのスウェーデン系移民に伝わる「スウェディッシュエッグコーヒー」を、友人のミカさんが教えてくれました。卵と殻を使って化学反応を起こし、コーヒーを純化するという、とても興味深い淹れ方でした。

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ミカさんが淹れてくれたスウェディッシュエッグコーヒーは、口あたりがとてもまろやかで、苦味も酸味もまるでなく、なんだか麦茶みたいに優しい味がしました。それでいて、強いカフェインのキックが効いていて、癖になりそうな不思議な感じでした。
「どうだ?」

ミカさんが聞きました。

「まろやかだ…全然苦くないし、酸っぱくないし、なんていうか、なめらかで…不思議だ」

僕が答えると、ミカさんは満足げににっこり笑いました。

「上出来だぜ、冬一郎。ちゃんとコーヒーの味が分かるじゃないか」

エッグコーヒーのせいなのか、ミカさんに褒められたからなのかわかりませんが、僕は胸がふんわりあったかくなって、なんだか顔が上げられませんでした。

「んー、それエッグコーヒー?」ベンの声がしてふと見ると、キッチンの入り口にひょこっと彼が顔を出しました。抱っこ紐で、眠るロンを抱えています。

「さっきロンちゃんがまた起きちゃってさ、参ったよ。コーヒー、俺の分もあるの?」

「もちろん…ほら」

ミカさんがいそいそとコーヒーを注いで差し出すと、ベンはロンの上にこぼさないよう慎重に受け取りました。僕はその様子を眺めながら、ぼんやりと思いました。僕は今、なんて幸せなんだろう、と。

大切な家族がいて、素晴らしい友達がいて、コーヒーがおいしい。これ以上、何もいらない。本当に。

それなのに、たまらなく不安になるのは、なぜなんだろう。

 

続きます

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アメリカ人のベンのコーヒーの淹れ方。彼の淹れ方も結構変わってて面白い。ミカさんの言う通り、味や香り的には、ベンのコーヒーが一番かな。まあ、高い豆使ってるしね…。機会があればレポートします。

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 イタリア人の友人のマリさんのコーヒーの淹れ方。イタリアの家庭には必ずあるという直火式エスプレッソ。彼みたいに格好良くエスプレッソを飲めるようにいつかなりたいものです。

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スウェーデン人のミカさんの通常のコーヒーの淹れ方。僕は彼のコーヒータイムが一番好き。

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 コーヒーに合うお菓子のレシピ

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お題「コーヒー」

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スウェディッシュエッグコーヒーの淹れ方3【国際交流×料理漫画】

スウェディッシュエッグコーヒーシリーズ、三回目。

前回分から載せます。

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「俺は信用がないんだなあ、冬一郎…」

ミカさんの言葉を、僕は固く否定しました。

「そんなことないです。ミカさんのことは、信じてますよ」

多分、誰よりも、信じてると思う。神も親も信じない不届き者な僕だけど、この美しくて頭のいい外国人の友達の事は、どこまでも信じてる。

僕の口調がおかしかったのか、ミカさんはふっと挑戦的な表情を浮かべました。

「そうか? …よし、じゃあ、この混ぜたヤツを沸騰した水に入れてみろ」

僕らは鍋に結構な量の湯を沸かし、そこに、殻入りの生卵コーヒーを投入しました。すると、卵がブクブク泡立ち、黒っぽい灰汁みたいな気持ち悪いモコモコしたものに変身して、危うく吹きこぼれそうになりました。僕は思わず、「うえっ…なんか、ますますグロい」と感想をもらしました。ミカさんは火を調節しながら、「そらみろ、やっぱり信じてないじゃあないか」と僕をからかって笑いました。

なんだか悔しかったので、僕は少し黙りました。そのまま3分くらい、奇妙な卵のあぶくを煮ながら、2人で静かに眺めていました。

「殻を入れる理由はあるんですか?」僕が唐突に聞くと、「アルカリだからだぜ」と、とても短い答えが返ってきました。

卵の殻はアルカリ性…。そうか。つまりコーヒーの酸を中和しようとしているんだな。僕がそう言うと、ミカさんはうなずき、

「その通りだ。安いコーヒーってのは、たいてい酸味も苦味も強すぎるものさ。卵はそれを純化するために使ってるんだ。この不味そうに見えるあぶくは、卵のプロテインがコーヒーの雑味と結びついて、疎水効果で表面に上がってきてるのさ。ついでにカフェインも高めてくれるんだぜ」と、今度は少し丁寧に解説してくれました。

彼は鍋を離れて、冷蔵庫から冷えた水を持ってきました。そして、火を止めるなり、冷水をざっと回しかけました。全然予想していない行動だったので、僕は再びビックリしてしまいました。

「ほら、固形物が沈んだだろう?」

ミカさんが言うので見れば、驚いたことに、さっきまで浮いていた気持ち悪い灰汁みたいなのが、すーっと鍋底に沈んでいき、かわりにきれいな茶色のコーヒーが現れました。

ミカさんはこの上澄みをフィルターで濾すと、マグに入れました。そして、出来立てのスウェディッシュエッグコーヒーを、僕に差し出してくれたのでした。

 

続きます。

 

お題「コーヒー」

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北欧風エッグコーヒーの淹れ方2【国際交流×料理漫画】

前回の続きです。

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 あらすじ。スウェーデン人のミカさんが、アメリカのスウェーデン系移民に伝わるというエッグコーヒーの作り方を僕に教えてくれると言い出しました。

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「まず、卵を割る」
ミカさんはそういうと、おもむろにスプーンをつかんで、ボールの中の卵めがけて振り下ろしました。
ぐしゃっと音を立てて卵が割れ、黄身の中に細かい殻の破片が混ざりました。あんまり斬新…な卵の割り方だったので、僕は思わず大きな声を上げました。
「ミカさん!ちょっとちょっと!!」

「ん?」

「ん?じゃないですよ!殻が粉々になって入っちゃったじゃないですか?」

「そのままでいいんだぜ」

ミカさんがこともなげに言うので、僕はポカンとしました。卵の殻の破片が混じったままでいい料理なんて、未だかつて聞いたことないからです。ミカさんはベンのコーヒーミルをきれいにして、僕が渡した適当なコーヒー豆(誰かにお歳暮か何かでもらって戸棚に放置されてたやつ)を粗挽きにしました。そしてその粉を、直接、パッと先ほどの卵にかけました。黒いコーヒー粉のかかった殻入りのぐちゃぐちゃな生卵は、僕の目には生ゴミ以外の何にも見えませんでした。

「なんかグロい…めちゃくちゃ不味そうなんですけど、大丈夫ですか?」

僕の率直な質問に、ミカさんは苦笑いしました。

「俺は信用がないんだなあ、冬一郎…」

 

続きます。

お題「コーヒー」

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スウェディッシュエッグコーヒーの淹れ方1【国際交流×料理漫画】Swedish Egg Coffee

お題「コーヒー」 

ベイクトズィティコーヒーバトル~から続く長い夜の話です。

 

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「冬一郎、食後に俺が面白いコーヒーを淹れてやるよ」

僕がキッチンを片付けていると、ミカさんがやってきて言いました。僕は、棚にしまおうとしていたモカ(直火式エスプレッソ)を慌ててまた出しながら答えました。

「コーヒー、やっぱり飲みたかったですか? 僕がみんなに淹れようと思ってたんですけど、なんだか喧嘩みたいになってしまったし、やめた方がいいのかなと…」

「まあそう言うなよ」と、ミカさん。「実はマリオのやつにやられっぱなしで、ムカついてるんだ。このままじゃあ、俺のプライドに関わるぜ…。とびきりの変わり種を教えてやるから」

スウェーデン人のミカさんとイタリア人のマリさんは、しょっちゅう言い争いをしているのですが、つい先ほども、どちらの国がよりコーヒー通か、という話で大いにやりあったのでした。僕の中では、このコーヒーバトルの勝者は断然ミカさんなのですが、ミカさん本人は負けたように思っていたようです。

「コーヒーの変わり種、ですか?」

「エッグコーヒーだ。飲んだことあるか?」

冷蔵庫から卵を1つ取り出すと、ミカさんは僕の隣に立ちました。彼はとても格好良く、ベンよりさらに背が高いので、僕はいつも見上げる感じになります。

「エッグコーヒー…ベトナムかどこかのやつでしたっけ?」

「それとは違うぜ。俺たちが今から作るのは、スウェーデンからアメリカに渡った移民が編み出したコーヒーの飲み方だ。これはな…金が無くていいコーヒー豆が買えない時に重宝するテクニックだぜ」

 そう言ってから、ミカさんは不意に、困ったような可愛い笑みを浮かべました。「間違っても、ベンのコナコーヒーではやるなよ。もったいないからな。もしやったら、ベンが泣くぜ。だから…やるなよ」

 

続きます。

 

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 コーヒーの淹れ方、イタリア人のマリさんの場合

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コーヒーの淹れ方、アメリカ人のベンの場合。コナコーヒーについてもこちら。

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コーヒーの淹れ方、スウェーデン人のミカさんの場合。

 

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 ベンの作ったパスタ

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Chokladbollar、ホクラードボッラルのレシピ オーブンなしで子供と作れるスウェーデンのチョコレート菓子

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Chokladbollar(ホクラードボッラル)、またはkokosbollar(ココスボッラル)は、オーブンや火を一切使わないでできるスウェーデンのチョコレート味のお菓子です。

僕の友人のミカさんのフィーカ(スウェーデン式コーヒータイム)にも度々登場します。市販のココアスポンジをほぐして、こねて丸めるだけという簡単さなんですが、意外にもとってもお洒落な味に仕上がるんですよ!

英語に訳すとchocolate ballまたはcoconut ball。ちょっと前まではnegerbollarと呼ばれていたようですが、人種差別的な響きがしますので避けた方が良いでしょう。

ミカさんのホクラードボッラルは結構ビターで、僕の場合はベンの淹れるコナ100%コーヒーをちょいと効かせちゃうという謎の豪華仕様。

もちろん子供向けにはコーヒーは省略し、ココア量もぐっと減らして、カラフルなチョコスプレーをまぶします。誕生日パーティーにもぴったりの一口デザートの出来上がり。火を使わず安全なので、子供たちと一緒にやると楽しいですよ。コロコロして可愛いからひな祭りにもいいんじゃないかな。

なお、無塩バターで作るのが1番美味しいですが、もっと気軽に作りたい時はサラダ油でもできます。めっちゃ簡単。

 

ホクラードボッラル 材料 約15個分

 

グラニュー糖 50g 子供向けは60g

ココアパウダー 50g 子供向けは30g

無塩バター50g、サラダ油50gでも可

オートミール なければグラノーラでも可 50g

ココアスポンジ、市販品100g

コーヒー大さじ2、子供向けは省略

ココナッツファイン適量 

子供向けはチョコレートミックススプレー

 

1、無塩バターを室温に置いて柔らかくしておきます。

 

2、ボウルにココアパウダーとグラニュー糖を合わせます。1のバターを入れてスプーンで混ぜます。

 

3、ある程度混ざったら、ココアスポンジを手で小さくほぐしていれます。

 

4、オートミールを加えます。オートミールがない時は、グラノーラを使うとサクサク面白い食感になります。

 

5、全体を手で混ぜます。全体的にしっとりしてくると思います。大人向けには、ここでコーヒーを大さじ2ほど入れます。子供向けにはコーヒーは省略しますが、しっとり度が足りない場合は牛乳を大さじ2程入れて様子を見てください。

 

6、ボール状に手で丸めたら、ココナッツやスプレーをまぶしてください。

 

7、冷蔵庫で1時間くらい冷やすとより美味しいです。

 

コロナウィルス騒ぎで学校が閉鎖され、子供たちの行く場がなくて困りましたね。家で暇を持て余している子はホクラードボッラルを作っておやつに食べてください。

僕は実家と断絶してるので、もしも保育園が閉鎖されたらロンの預け先がない。詰みます。

 

 

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コロナショックと世界の閉塞感と僕の憂鬱と

今回、漫画ないです。コロナショックについて、とても憂鬱なので愚痴を言いたいなと思ってます。

このブログは、外国人やマイノリティの話ばかりしてますけど、政治的な主張をするつもりは全く無いんです。単にレシピにまつわるエピソードとか、個人的な思い出話とかをして、それで、見に来てくれた人には出来るだけ楽しんでいってほしいなあ、ってだけで。

それでも、何でこんな変なブログ始めたんだっけって考えたら、根っこには、日本がもう少しだけ、オープンな社会になったらいいなという小さな願いというか…そういう思いがあるんです。

僕、今年のオリンピック、とても期待していたんですよ。これを機会に、何か色々、変わるかもしれないなあって。

で、このコロナウイルス騒ぎ。

誰が悪いわけじゃないけど、日本だけじゃなくて世界中、息が詰まりそうな閉塞感。

国内では中国人への差別があり、海外ではアジア系だってだけで暴言を吐かれる。ネットにはかなりとんでもないデマが飛び交ってるし。

そして子供が学校にも行けなくなる。

なんとか感染拡大が収束するといいけど、仮に五輪開催まで漕ぎつけたとしても、何となくもう手放しに祝えるような気分にはならない気がしますね。

良い年になるよう祈ってただけに、とても残念です。

 

デマ情報回避のために、ファクトチェックを行っている団体が日本でもあるようです。

参考までに。

fij.info