金髪青目の外国人と結婚したら、金髪で青い目の赤ちゃんが生まれるーー訳ではありません。黒髪黒目の日本人が金髪青目の欧米人と結婚した場合、ほぼ間違いなく、茶色い目で茶色い髪の子供が生まれます。この茶色の色味には個人差があり、だいたいにおいて、幼いうちは色が明るく、成長につれてだんだん暗くなっていきます。
僕の息子のロンの場合、生まれたての時は真っ黒の髪!だったのですが、2週間くらい経つととても明るい綺麗な栗毛色になりました。今もまだ明るい色です。
でも、この「明るい色」、黒髪黒目の僕が日本人的な黒髪〜茶髪のカラースケールで見て言う「明るい」なんですよね。
先日、こんなことがありました。
ミカさんが遊びにきてくれた時です。彼がロンをあやしながらベンと話しているのを、僕はすぐそばできいていました。
「ロンは可愛いなあ」とミカさんが言うと、
「最高だろ?」とベンが大喜びで答えました。この男は、いつでもロンにはメロメロです。
「顔は全体的にリサ似だけど、よく見ると眉の形とか冬一郎ちゃんそっくりなんだ。ダークアイも賢そうだろう?」
「うん…ウェーブの効いたダークヘアがまた似合っているな。知的でソフトだぜ」とミカさんが言いました。
僕はうんうん、と微笑ましく耳を傾けていたのですが、2人の会話の中のある単語が、ふと気になりました。
ダーク?
今、ダークって言ったか?
僕は思わず会話に割って入りました。
「え、待ってください。ロンの、どこがダークなんですか?」
「どこがって… ダークヘアだろ?」ミカさんが怪訝な顔で言いました。ベンも、
「ロンちゃんはダークヘアにダークアイじゃないか」とあっさり答えました。
「…」
しばらく理解できずに2人の顔をしげしげと見てから、僕はやっと、気がつきました。
そうだ。
ロンの髪の色はーー暗いのだ、ということに。
続きます。