アメリカ料理食育日記@日本

国際育児クラブの子育て漫画と、アメリカをはじめとした世界各国の家庭料理レシピ

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動物園に行こう、その1【国際結婚×英語子育て×男性の育児×漫画×小説】

もう8月ですね!

子供たちは夏休み…ということで、今回から夏スペシャル編にします。読者の方から「幸せエピソード」のリクエストをいただいているので、僕とロンとベンとミカさんの4人で動物園に行った時の楽しい話をしたいと思います^^!

全員の思い出をより詳しく描写したいので、のんびり、小説風(三人称)で書いていきます。お付き合いください。

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冬一郎はかねてより、ロンを連れて動物園にいきたいと考えていた。

幼い我が子を肩車しながら、かわいい動物たちの仕草を眺めて過ごす、ゆっくりした時間ーーまさに、絵に描いたような幸せの図である。冬一郎はこれを1日も早く実行し、家族を手に入れた醍醐味を心ゆくまで味わってみたかったのだ。

ところが、一見簡単そうなこの夢は、なかなか叶えることができなかった。

「家族のいる生活」の実際は、思っていた以上に厳しく体力が必要で、平日は保育園の送り迎えと仕事でヘトヘト、そして週末になっても、溜まった洗濯や買い物や1週間分の食事の下準備など、やらなければならないことが山ほどあり、忙しさのあまりパートナーのベンとの喧嘩も絶えず、子連れでお出かけ…など到底できる状況ではなかったのだ。日曜の夜、ロンを寝かしつけながら、「ああ今週も何もできなかった。来週こそ…」と思うことが、一体何度あっただろうか。

しかし、チャンスは不意にやってきた。救ってくれたのは、またもや、ミカエルであった。

「動物園に行こうぜ」

ある金曜の夜、冬一郎とロンを自宅に呼んで夕飯をご馳走してくれた上、食後にデザートまで出して、ミカエルが言った。

「きっとロンは喜ぶぜ。さっきベンと研究室で話していたんだが、最近、動物の名前をたくさん覚えて話すそうじゃないか」

「そーーそうなんですよ」

冬一郎は頬張ったマーブルケーキの塊を急いで飲み込んで答えた。

「赤ちゃんむけのイラストの図鑑を買ってあげたんです。それを見ながら、Doggie(わんわん)とか、Birdie (とりさん)とか言って、本当に、とっても可愛いんですよ」

そうか、とミカエルはロンに微笑み、彼が手でぐちゃぐちゃにしているケーキの下の、皿に描かれた動物を指して、聞いた。

「これはなんだ、ロン?」

「Horsey(おうまさん)!」

「そうだな。おうまさんは好きか?見に行こうな、明日」

「明日、ですか?」

冬一郎の心は一気に舞い上がった。何ヶ月も夢見ていたことが、いきなり実現するかもしれないとなると、嬉しいのにとても慌てた気持ちになって、胸がドキドキする。

「あ、明日は、その、ロンの保育園の昼寝布団を干してカバーを洗濯するつもりで、あと、じゃがいもを茹でて潰してーー」

何故かいらないことをベラベラと口走る自分に、冬一郎は内心、ひどく混乱した。何を言ってるんだ、僕は?せっかくの大チャンスなのにーー

「ベンと俺の仕事は、昨日、少しひと段落ついたんだ」ミカエルが言った。

「来週からまた忙しくなるから、いい機会なんだぜ。洗濯は悪いが延期してくれ。どうしても布団が汚れてるんなら、そこにベビーキルトが2枚あるから代わりに使ったらどうだ?」

ベンと同じチームで働くミカエルは、ベンの仕事の都合を完璧に把握している。数学のすの字も分からず、したがってパートナーの仕事内容を1ミリも理解できない冬一郎とは、訳が違うのだ。その上ミカエルは、冬一郎が育児や家事の細々した話をしても、ベンより余程よく理解してくれる。ベンに同じ話をしたら、おそらく冬一郎は、布団を日に干すことの効果の有無について延々議論させられる羽目になったであろう。保育園の布団は毎週手入れしてくるのがルールだし、そもそも指定のものでなければならないので、別の何かを使えと言うミカエルも分かっていないといえば分かっていないのだか、ベンに比べたら100倍は良い反応である。

「今日は、ロンと一緒にこのまま泊まっていけよ」

トントンと話を進めて、ミカエルがいう。

「ベンには直接こっちに来るよう、もう話してある。さっき、研究所を出たとメッセージが来たから、もうすぐ着くだろうぜ」

「そ、そうですか」

「明日の昼は弁当を持って行こう。サンドイッチの材料なら用意してあるんだ」

何もかも、全ての面倒を見てもらった感じである。冬一郎は喜びと感謝の気持ちで胸がいっぱいになると同時に、こんなにしてもらって良い訳がない、こんなに甘えてしまってはマズい、という思いにもかられて、苦しくなった。

「ミカさん、僕、どうお礼を言ったいいか。いつも、ミカさんがいないと何もできなくてー。ただでさえ、しょっちゅう夕食ご馳走してもらったり、ロンの世話してもらったりしてるのにー」

「そのことだがな」とミカエル。「もう、いちいち誘ったりするのも面倒なんだぜ。だいたい、お前だって冷蔵庫の中身の都合とかあるだろうし、非効率だろ?週末の3日分の食事は俺の分担だと決めようぜ。だから必ず来い。おっと、ベンだ」

ドアのベルが鳴り、冬一郎が何も答えないうちに、ミカエルはぱっと席を立って、玄関へ出迎えに行った。

「ああ、ミカちゃん、お腹すいたよ」やや疲れ気味のベンの声がした。「メニューは何?」

「スロッピー・ジョーだ。簡単なやつで悪いな。でも好きだろ」

「もちろん大好きさ!」

相変わらず、ベンは好物と聞くと、子供みたいに分かりやすくはしゃぐ。ミカエルの優しく笑う声が聞こえる。

「たくさん作ってあるぜ。余ったら明日、サンドイッチの具にして持っていこう」

「ナイスアイディアだね。やあ、冬一郎ちゃん!明日、動物園に行こうよ!」

冬一郎の顔を見るなり、ベンは笑顔で叫んだ。

「ロンちゃん喜ぶぞ。ミカちゃんも、俺たちと一緒に来たいってさ!」

ミカさんが僕らと一緒に来たい、じゃなくて、ミカさんが僕たちをわざわざ連れてってくれるんだろうが!と、冬一郎は非常に苛立たしく思った。子連れで出かけることの大変さが、未だにいまいち身に染みないらしいこの男は、いつもどこかズレたことを言う。

 そんな次第で、翌日、ミカエルの運転する車に乗り、一行は上野動物園に向かうことになった。

 

 

ーーー

あれっ?動物園まで着かなかった。次回に続きます ^^;

 

僕がロンに買ってあげた本。イラストがとっても可愛くて、英語・日本語両方書いてあってお気に入りでした。こういうバイリンガル絵本て、時々英語間違ってたりとか、ほとんど使われない単語で書いてあったりとかするんだけど、この本はそんなことなくて助かった。

 

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